リチウムイオン電池正極材料の大気非暴露水分測定(カールフィッシャー法)

RSM-2510

1.概要

バイアル瓶型水分分析計の導入により、試料の秤り取りから測定まで大気に触れることなく測定でき、より正確な水分分析が可能になりました。

2.試験方法

分析の手順

1)試料を不活性ガス(窒素、アルゴン等)雰囲気やドライ環境下でバイアル瓶に秤り取り、密封。
2)加熱したバイアル瓶にニードルから窒素ガスを送り込み、試料から気化した水分を分析部に流す。
3)カールフィッシャー法により水分の定量分析を実施。

分析概要図

 

サンプリング

グローブボックス内でバイアル瓶に試料を秤量・密封

 

分析条件 

 加熱温度上限;300°C
 定量下限;10ppm(試料0.5gの場合)

3.事例; リチウムイオン電池用正極材(NMC811, NMC622)の水分分析 

2種の正極材(NMC811, NMC622)の水分分析において、バイアル瓶中へのサンプリング雰囲気の違いによる分析値への影響を比較しました

・サンプリング雰囲気

1.大気中              ※大気暴露
2.
グローブボックス内(窒素パージ) ※大気非暴露

・水分分析結果

下図に、サンプリング雰囲気が異なる試料を3回水分量を測定した結果を示します。
その結果、グローブボックス内でサンプリングすることで、空気中水分の吸収が制御され、測定値のばらつきも軽減されることが確認されました。

図.正極材の水分測定結果の比較

 


・分析適用例

 固体:電池材料…正極材,固体電解質など
        活性金属、吸湿材      
 液体:潤滑油、タールなど

※乾燥試料、吸湿材料などの水分を正確に測定したい場合に有効です!

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