愛玩動物用飼料等の検査法に基づく LC-ICP-MSによる無機砒素(無機ヒ素)の形態別分析
KYE-2101
1.概要
愛がん動物用飼料(ペットフード)の安全性の確保を目的として、平成21年6月1日から「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)が施行されました。この法に基づき、飼料中に含まれる汚染物質等含有許容量等については、「愛玩動物用飼料の成分規格等に関する省令」により定められています。 令和3年10月1日から砒素の含有許容量(15μg/g以下)の規定が、無機砒素の含有許容量(2μg/g以下)の規定に改められます。当社では愛玩動物用飼料等の検査法に基づいた無機砒素の検査を実施しております(表1)。
表1 検査項目概要
対象物質 | 分析方法 | 定量下限値 |
---|---|---|
無機砒素 (無機砒素(III)及び無機砒素(V)の総和) |
液体クロマトグラフ-誘導結合 プラズマ質量(LC-ICP-MS)分析法 |
0.2 µg/g (各無機砒素0.1 µg/g) |
2.分析方法
砒素は有機砒素、無機砒素といったいくつかの形態があります(図1)。本分析では、無機砒素を定量的に分析するために、LCとICP-MSを組み合わせて、LCで分離された成分をICP-MSに導入し、元素の定量を行うことで形態別に迅速かつ高感度に分析することが可能です(図2、3)。

