FT-IRを用いた油分分析

KSE-1605

1.概要

工業製品の製造現場・装置では、潤滑油・圧延油などの機械油が使われます。機械油が製品へ混入したり、使用した油が製品に残留することは、食品製造においてはもちろんのこと、ステンレスやチタンなど金属薄板製品、ガス配管、用水・土壌など様々な場面で問題になります。排水や土壌中の油分量は、溶剤で抽出し重量測定する方法が一般的ですが、この方法は感度が低く、微量な油分の検出が困難です。
ここでは、ppmオーダーの微量な油分評価に優れたツールであるフーリエ変換型赤外分光光度計(FT-IR)を用いて、様々な油分量の測定を紹介します。

※FT-IRは、油の基本構造であるC-H(炭素-水素)結合の分子振動・回転による赤外吸収を検出します。このため、試料からの油抽出にはC-H結合をもたない四塩化炭素を使用します。FT-IRは非常に高感度に油を検出できることから、極微量の油分が問題となる様々な工業製品の検査に利用できます。

フーリエ変換赤外分光分析(FT‐IR)装置
試料分析フロー

【測定事例】 パスタに付着した鉱物油の定量

動植物油を除去可能なフロリジル(ケイ酸マグネシウム)を用いて精製することで鉱物油のみの付着量を分析しました。

フロリジル

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