リチウムイオン電池や全固体電池などの電池安全性試験における有機ガス成分リアルタイム測定
KNM-2501
1.概要
リチウムイオン電池(LIB) や全固体電池が燃焼時に発生するガス成分の詳細把握は、安全性評価における重要な課題です。しかし、従来の手法では有機ガス成分のリアルタイム測定は困難でした。
当社の真空紫外-1光子イオン化-飛行時間型質量分析計(VUV-SPI-TOFMS)は、有機ガス成分のリアルタイム測定を実現するとともに、小型軽量の車載可搬タイプであるため、試験場や現場での有機ガス成分の特定や発生状況の把握が可能であり、電池安全性評価の精度向上と効率化をご提供できます。
評価に用いた真空紫外-1光子イオン化-飛行時間型質量分析計(VUV-SPI-TOFMS)についてはこちらから
2.測定事例; 蓄電池圧潰試験時の発生ガス測定
当社独自の圧潰試験機によりLIBを横方向に圧潰し、内部温度の変化と発生したガス成分をリアルタイムで測定しました。
・真空紫外-1光子イオン化-飛行時間型質量分析計(VUVーSPIーTOFMS)の外観

小型(660×820×1100mm)で車載運搬が可能。
3.測定結果;LIB熱暴走挙動と発生ガス成分のリアルタイム測定
蓄電池の圧潰試験による内部温度の上昇と、発生したガス種とその量を測定した結果を示します。

測定結果
- ・試験開始後、発火および発煙が生じるとともに、内部温度が上昇。
- ・内部温度は900°C付近まで上昇。同時に一酸化炭素とベンゼン、トルエン等が発生。
- ・その後にナフタレン、さらに遅れてフェノール類が発生。
- ・その他、記載外の成分も含めて多数の有機ガス成分をリアルタイムに把握できており、温度変化、無機ガス成分とも比較、解析が可能。
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