電磁誘導法によるコンクリート中の鉄筋探査
KK-0040
1.概要
コンクリート構造物の鉄筋位置、かぶり厚さを非破壊的に測定する方法として、電磁誘導法と電磁波(レーダー)法が用いられています。電磁誘導法では鉄筋のかぶり、径の違いによって二次磁界の強さも変わるため、その違いによって鉄筋径も検出します(かぶりが既知の場合)。
2.電磁誘導法の原理
励磁コイルに電流を流し交流磁場を発生させます。その磁場内に磁性体(鉄筋)が存在する場合、磁場の作用により鉄筋に電流(二次電流)が流れます。鉄筋に流れた電流により二次磁界が発生します。二次磁界により検出コイルに電流が流れ、コイルの電圧が変化します。
センサーが鉄筋上を通過すると、二次磁界も増減しますので、これにより鉄筋位置を検出できます。
電磁誘導の装置には既知データが記録されおり、コイル電圧の変化量から鉄筋径、かぶり深さを推定します。

3.電磁誘導法の特徴
- 電磁誘導法は、空洞、ひび割れ、非金属等は検出することはできません。(レーダー法ではコンクリートとの誘電率の差により、検出できる場合があります。)
- 鉄筋位置、かぶり、鉄筋径の推定が同時にでき、コンクリート表面の凹凸や表面近くの空洞等の影響を受けないという利点があります。
- かぶりが200mm前後までの鉄筋が検出可能です。ただ、かぶりが100mmを超えると急激に精度が低下します。
- 鉄筋間隔が狭い場合(かぶり厚さの1.5倍以下)、多段配筋、鉄筋以外の磁性体が埋設されている場合等は、検出できないことがあります。
