膜厚の精密測定
KK-0025
1.概要
金属上の各種皮膜(メッキ、塗料、酸化皮膜等)の厚さを、そのままの状態で測定します。精度の高い膜厚計を使用しますので、0.1μ程度の膜厚も測定できます。
2.適用例
磁気誘導法
下地 | 鋼 |
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皮膜 | 非磁性(亜鉛、クロム、銅、錫、あるいはプラスチック、エナメル) |
渦電流法
下地 | 導電性非鉄金属(アルミニウム、銅、黄銅、亜鉛) |
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皮膜 | 非導電性(塗料、粉体皮膜、プラスチック)、導電性の低い非鉄金属(クロムまたは無電解ニッケル) |
3.測定原理
図1 磁気誘導法
強磁性体(下地)の表面から磁界を与えると、磁束密度は測定プローブと下地との間の距離に依存します。
測定プローブを材料表面に接触させ、低周波交流磁界を発生させます。プローブ内のピックアップコイルによって磁束密度が測定され、皮膜厚さに変換されます。
図2 渦電流法
導電性体(下地)の表面からコイルで交流磁界を与えると、下地に渦電流が流れその強さは下地との間の距離に依存します。
測定プローブを材料表面に接触させ、高周波交流磁界を発生させます。導電性の下地材料に渦電流が流れ、プローブコイルのインピーダンスが変化しますので、皮膜厚さに変換されます。


4.測定範囲と測定精度
プローブの種類により異なります。
最大皮膜厚さ | 磁気誘導法の場合で最大8mm、渦電流法では20mmまで可能です。 |
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最小皮膜厚さ | 0.1μm程度 |
測定精度 | 0.1μm程度 材料の表面粗さや曲率、及び磁気的性質(透磁率)や導電率の違い、プローブの種類によって変わります。 |
なお、断面観察による実測値と測定値との関係を調査して校正曲線を作成することも承っております。