熱分解(Py)-GC/MS装置紹介
HRM-1618
1.概要
Py※1-GC/MSは、試料導入部に熱分解装置(パイロライザー)を設置したガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)です。熱分解装置の温度条件やサンプリング条件を変えることで、各種材料に対して様々な分析が行うことができます。※1 Pyrolysis(熱分解)
ガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS)の詳細はこちらから
2.熱分解(Py)-GC/MS分析の原理
熱分解装置で試料を加熱し、発生したガスをカラムに導入し、ガスを分離します。分離された成分を質量分析計(MS)により同定を行います。

3.装置仕様
装置1 | 装置2 | ||
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設備 | 熱分解装置 | PY2020D(フロンティアラボ社製) | PY3030D(フロンティアラボ社製) |
GC | HP6890(アジレント・テクノロジー社製) | QP2010Ultra(島津製作所製) | |
MS | HP5973(アジレント・テクノロジー社製) | ||
温度範囲 | 40~800°C(PY2020D) | 40~1050°C(PY3030D) | |
測定項目 | 高分子材料の同定、添加剤の同定、揮発成分などの同定等 | ||
測定雰囲気 | ヘリウム(He)、疑似エアー(O2/He(20/80vol.%)) |
4.熱分解(Py)-GC/MSを用いた様々な分析法
1 加熱発生ガス成分の同定
熱分解装置と質量分析計をポリジメチルシロキサン等の液相を有する分離カラムでつなぎ、試料を加熱した際に発生する成分の同定を行う。
特に、高温(600°C程度)条件で、高分子材料を熱分解させる瞬間熱分解法では、様々な高分子材料中の特有の成分を検出することにより、高分子材料の同定が可能です。
また、100°C~300°C程度の温度範囲で定温加熱や昇温加熱する抽出法では、高分子材料中の添加剤の違い等を判断し、不具合調査を行うことが可能です。
2 発生ガス分析(EGA※2-MS法)
カラムを不活性金属キャピラリー管に変更することで、昇温時に発生するガスを直接MSに導入することにより、ガスの発生状況を調査することが出来ます。 ※2 Evolved gas analysis(発生ガス分析)


5.分析事例
様々な分析法をご紹介しています。
高分子材料の材質調査 | HRM-1619 Py-GC/MSによる樹脂の同定 |
熱抽出と瞬間熱分析を合わせた、高分子材料の基材、添加剤の詳細分析 | HRM-1620 ダブルショット法による高分子および添加剤の同定 |
発生ガスの詳細分析 | HRM-1621 Py-GC/MSによる加熱発生ガスの分析 |
発生無機ガス定量分析 |