容量法による各種原材料中の鉄形態別分析

HRM-1005

1.概要

近年、製鉄原料の多様化(リサイクル品の利用等)が進展し、鉄の形態別分析*のニーズが高まっています。容量法(滴定法)は、対象成分と反応する標準溶液の使用量から算出する絶対的分析手法です。
当社では、JIS法を参考に、製鉄原料、スラグ、土壌などを想定した鉄形態分析を検討しました。

*鉄の形態・・・全鉄:T.Fe 金属鉄:M.Fe 酸化鉄(II):FeO 酸化鉄(III):Fe2O3

重量法、容量法(滴定法)の詳細はこちらから

2.分析試料情報

測定対象物質 事例
製鉄原料 鉄鉱石、鉄ダスト、スケール、鉄粉、還元鉄など
スラグ、スラグ製品 鉄鋼スラグ、コンクリート骨材、路盤材など
環境試料 土壌、泥質など

分析試料量の目安:数10g
少量の試料の場合や上記の表以外の物質についてはお問い合わせください。

3.主な分析手順

分析手順

4.定量範囲

酸化鉄(III)Fe2O3は、鉄分収支から換算します。
酸化鉄(III)=全鉄-{金属鉄+酸化鉄(II)}

金属鉄M.Fe 1%以上 95%程度
酸化鉄(II)FeO 0.1%以上 60%程度
全鉄T.Fe 20%以上 95%程度

※低濃度域の全鉄と金属鉄については、ICP-AES法により分析対応いたします。

5.分析事例(金属鉄、酸化鉄(II)、全鉄)

表1:金属鉄分析例(JIS A5011-2 参照)単位:%

試料名 管理値 分析値
還元鉄A 54.66 54.66±0.7

表2:酸化鉄(II)分析例(JIS M8213 参照)単位:%

試料名 管理値 分析値
ダスト試料B 14.50 14.50±0.45

表3:全鉄分析例(JIS M8212 参照)単位:%

試料名 管理値 分析値
JSS850-4 マルコナペレット 65.67 65.75±0.27

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