ブローホールのガス分析
FTM-1626
1.概要
各種材料中のブローホールやブリスタ内のガスを分析できます。
真空中でドリルで機械的に切削し、発生するガス成分を質量分析計で分析します。
本技術によれば、鉄、非鉄金属、ガラス等の中に存在するブローホール内ガスを比較的容易に高感度で分析することが出来る他、パッケージ内部のガス分析も可能です。
2.装置仕様
切削ドリル径 | 1~3mmφ |
---|---|
測定可能なガス分子 | 質量数(m/z)2~100) |
検出上限ガス量 | 約10-2mL |
検出下限ガス量 | 約10-7mL |
試料形状 | 約40×20×10t mm以内 |

3.鋳鉄製品のブローホールガス測定例
鋳鉄製の調理道具に発生したブローホールを分析した例です。
X線撮影により、ブローホールのサイズと位置を確認し(図1)、3mmΦのドリルで穿孔して、放出するガスを質量分析しました。(図2)
その結果、ブローホール内のガスは左の表に示すような組成であり、また、ブローホール内のガスの量も定量できました。


ブローホール内ガスの成分組織(スペクトル積算強度比)
質量数(成分) | スペクトル積算強度比[%] |
m/z 2 (H2) | 1 |
m/z 15 (メタンの一部) | <1 |
m/z 28 (N2) | 98 |
m/z 40 (Ar) | 1 |
上記成分の概算ガス量 | 7×10-5 [mL] |