X線回折装置(XRD)による化合物の定量分析(粉塵の分析)
FTM-1625
1.概要
X線回折では、化合物の定量分析が可能です。
従来、X線回折で定量できる物質は限られていましたが、近年はリートベルト解析という方法を始めとし、これまでよりも適用範囲が広い定量法が出現しています。
当社ではこれらの定量法を使用し、鉄鋼関連材料の他にも、鉱物資源、セラミックス、環境物質など様々な混合物の定量分析を行っています。
2.装置仕様
多種類のX線回折装置を所有しています。試料に応じて最適な装置を使用いたします。
X線源 | Cu管球、Co管球、Mo管球など |
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検出器 | シンチレーションカウンター、1次元検出器、2次元検出器 |
3.試料情報
試料形状 | 基本的に粉末試料。その他の形状(塊、板、薄膜等)はご相談ください。 |
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必要量 | 数十mg~数百mg(粉末) |
4.測定事例;粉塵の成分分析
元素分析は比較的簡単に行える成分分析ですが、元素組成だけでは物質の特性を評価できない場合があります。XRDによる化合物組成の分析と併用することで、より総合的な評価ができるようになります。
この分析事例では、主成分の鉄は複数の化合物形態で存在しており、SiやAIは結晶及び非晶質の両方として存在していることがわかりました。
結果1:元素分析
元素 | 定量値(%) |
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Fe | 66.7 |
Si | 17.7 |
AI | 7.5 |
Ca | 6.4 |
その他 | 1.7 |
※軽元素を除く
結果2:X線回折パターン及びリートベルト解析による定量
