FIB-TOF-SIMSによるホウ素添加鋼の偏析、析出状態の可視化
FTM-1607
1.概要
FIB-TOF-SIMSでは、集束したGaイオンにより試料表面を削り、削り出された原子・分子イオン(2次イオン) の重さを計測します。空間分解能0.1μm程度で、広い範囲を20~40分程度で測定できます。添加元素が数ppm程度であれば、元素の分布像を得ることができます。
飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)の技術紹介はこちらから
2.装置仕様
1次イオンビーム | 30keVGa+ |
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面分解能 | 50nm (チャンピオンデータ) |
測定範囲 | 1μm~500μm |
質量分析器 | 飛行時間型 (TOF) |
質量分解能 | m/Δm=5000 (m/z=56) |
試料サイズ | 縦10mm×横10mm×厚さ8mm |

3.試料情報
20ppmホウ素(B)添加鋼(10mm×10mm×8mm)を鏡面研磨した試料
4.B添加鋼中のホウ素分布測定例
B添加鋼中のホウ素(B)分布状態を高感度で可視化した例を示します。粒界に沿ってBが存在している様子に加え、粒内にも析出物として存在しているBが検出されています。熱処理条件の異なる試料を比較する事で、焼入れ性とB存在状態の相関を調べることも可能です。
