ファインセラミックスの清浄度評価

AMM-2008

1.概要

半導体製造装置などに使用されるファインセラミックスには、耐熱性や耐薬品性などの材料特性に加え、汚染の発生源にならないための清浄度が求められます。中でも金属汚染は重大トラブルの原因となるため、工程毎に評価を行いながら、継続して汚染の低減に取り組む必要があります。
当社では、製鉄現場で使用される煉瓦の評価やファインセラミックスの開発支援で培った経験をもとに、お客様の評価目的に対して最良の評価法をご提案いたします。
このコンテンツでは、アルミナ原料粉からアルミナ焼結体(製品)を製造する工程において、清浄度評価を目的て行ったICP-MSによる分析事例をご紹介いたします。

本評価で用いた誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)についてはこちらから

2.測定事例 アルミナ原料粉からアルミナ焼結体(製品)を製造する工程での清浄度評価

アルミナ焼結体の製造工程

事例1 原料・成形・焼成工程

内容 : 原料粉末と造粒粉の不純物元素濃度を比較しました。
結果:造粒によって大きな汚染が生じていないことが確認されました。

分析手法:ICP質量分析法

表1 原料粉末の分析事例【単位:%】

元素 Na Fe Ni Cr
原料粉末 0.0021 0.012 <0.0001 <0.0001
造粒粉 0.0025 0.013 <0.0001 0.0002

事例2 加工・洗浄工程

内容 : 焼成体を洗浄した洗浄液の金属汚染状況を調査しました。
結果:洗浄液の金属濃度が把握出来ました(交換目安を数値として反映することも可能となります)。

分析手法:ICP質量分析法

表2 洗浄液の分析事例【単位:ppb(ng/mL)】

元素 Na Fe Ni Cr
洗浄液(新品) <0.01 <0.01 <0.01 <0.01
洗浄液(使用品) 4.5 2.2 <0.01 <0.01

事例3 検査・評価工程

内容 : 製造工程を変更した前後での出荷品の清浄度(表面付着金属量)を抽出法にて比較しました。
結果:新工程の方が清浄な製品を製造出来ることが確認されました。

分析手法:ICP質量分析法

表3 表面清浄度の分析事例【単位:atoms/cm2】

元素 Na Fe Ni Cr
旧工程 1.4E+13 8.5E+12 1.0E+12 4.3E+11
新工程 1.3E+10 2.2E+12 2.4+E11 1.1E+11

グロー放電質量分析法(GD-MS)による微量成分分析(AMM-2004)や、Siウエハへの成分転写評価のための超微量分析試験なども対応可能です。

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