インフラ分野Infrastructure

道路・鉄道・建築構造物関連インフラなどの既設構造の老朽化が進んでいますが、建て替えには大量のCO2が発生します。調査・診断を行うことで欠陥を早期発見することができ、さらに手当を施し寿命を延ばすことで、建て替えで発生するはずのCO2を削減し、カーボンニュートラルに貢献することができます。延命化が叶わず新設が必要となった際は、環境配慮型材料・工法の適用が重要となります。既設構造向けの維持管理技術と、新設構造向けの性能評価技術を提供しています。

インフラ分野の動向

長期間にわたって使用されるインフラ分野において、カーボンニュートラルを推進するためには、インフラサービスにおける省エネ化のみならず、LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)を強化する動きが加速されつつあります。すなわち、計画・設計、建設施工、更新・解体等の各段階において、脱炭素化に向けた取り組みを推進するとともに、現状の建造物を検査、補修等で維持管理することにより、構造物の長寿命化を図り、建て替えによるCO2の発生を抑制します。

例えば、適正に検査、補修、管理することにより、100年を超える構造物が現在でも社会の重要な社会資本として活用されています。価値ある社会資産を長期間活用することは、何度も作り直す無駄を省き、経済的なゆとりを生み、環境に対する負荷も減らします。

持続可能な社会の実現のためには、大量生産、大量消費、大量廃棄を繰り返すこれまでのフロー型の社会から、蓄積された資本や資源の利用に基づくストック型社会、つまり、いいものをつくり、きちんと手入れし、長く大切に使う社会への転換が必要となります。今後このような建造物の長寿命化が大きく注目されていく可能性を秘めています。

日鉄テクノロジーは、実構造物のある現場での非破壊検査を主体とした点検・診断に対応するのに加え、鉄鋼構造物の溶接部の強度改善施工を提供することより、インフラ構造物の健全性を保証するお手伝いをしています。 さらに、当社の分析・評価技術を活用することより、実環境を模擬した環境での、環境配慮型材料・工法の選定・適用に貢献しています。

インフラ分野の主な取り組み

  • 点検
    激震化・頻発化する自然災害に備えるため、施設の点検・調査、モニタリングを基にした災害対策・老朽化対策の重要性は増しています。点検方法は、各対策の基礎である目視点検に加え、ドローンを利用した遠隔点検等、高度かつ効率的な方法を提供し、脱炭素社会の実現に貢献しています。
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  • 診断
    既設構造物の健全性を判断するには、実構造物の強度、腐食による劣化、構造物内部の損傷を評価する必要があります。現場における超音波等を利用した非破壊検査測定や腐食調査に加え、損傷部分の一部を採取し、詳細調査を行うことで、補修、交換の要否を判断できる情報を提供しています。
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  • 措置
    橋梁などの鋼材の溶接部の疲労強度向上を目的に、超音波振動を機械的振動に変換し鋼材表面を打撃するUIT(Ultrasonic Impact Treatment)を提案しています。既設構造物の溶接個所に施工することで、き裂補修や予防保全対策としても有効です。 また、構造物の設置環境を模擬した試験により、腐食による肉厚減少を防ぐための塗料などの開発選定に貢献しています。
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  • 更新・新設
    建設業界ではCO2を吸収するコンクリート開発、木材・非鉄・非コンクリート材料の活用、短工期の補修技術、環境負荷を最小限に抑える工法開発など、脱炭素社会実現に向け様々な取り組みがなされています。基礎となる分析・試験技術から実用化に必要な実環境に近い条件での各種試験により開発を支えます。
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