集束イオンビーム加工観察装置(FIB)

概要

原理

数100nm径に絞ったGaイオンビームを高電圧(10k~30kV)で加速し、試料表面を走査することで、イオンビームのスッパター効果で表面の微細加工を行ったり、放出される2次電子で表面や加工した形状を観察(SIM像:Scanning Ion Microscope)することが出来ます。

微細加工は通常電子顕微鏡の試料を作るのに使われます。 これまでは電子顕微鏡の試料は機械研磨とイオンミリングで試料を作っていましたが、本装置で作ることで大幅に時間短縮が図れるとともに、SIM像の観察とを併用することで、観察したい場所を正確に決めることが出来ます。(図1)

FIB加工方法

図1 FIB加工方法

集束イオンビーム加工観察装置

さらに、図2に示します試料ピックアップシステムを導入することにより、試料室内でTEM試料が作成できるようになりました。

  • 試料ピックアップシステム

    図2 試料ピックアップシステム (日立カタログより)

適用分野

金属、半導体、絶縁体等のTEM試料作成

特徴

  • イオン源

    Ga液体金属イオン源

  • 加速電圧

    10~30kV

  • 像分解能

    10nm

  • 倍率

    2.8万倍

  • 最大電流密度

    15A/cm2

  • 走査範囲

    最大1.8mmx1.8mm

  • Wの蒸着が可能