圧縮残留応力の付与
・溶接による引張残留応力をなくし、圧縮残留応力に変えます。
・ショットピーニングよりも簡単な処理で、より強力な残留圧縮応力を実現します。
応力集中の軽減
・溶接止端部の形状が丸くなり、応力集中が軽減されます。
・グラインダー処理よりも高能率に処理ができます。
表面硬度向上
・金属組織が微細化します。
主な適用先は、船舶、建設機械、橋梁、クレーン、クレーンランウェイガーターなどで疲労強度が要求される構造部材です。
既に、延べ数kmの適用実績があります。
加工処理用工具(ピン)を超音波振動させて、金属表面を打撃し塑性変形させます。
超音波振動の発生は磁歪効果を利用しています(振動は、20-40KHz)。
装置名称
Esonix UIT(登録商標)
ハンドツール
周波数 27kHz,36kHz
質量 3.8kg,2.2kg
ジェネレーター
定格 100~200V/50/60/Hz/1400W
寸法・重量 254x368x572mm/20kg
クーラー
寸法・質量 230x230x660mm/15kg
定格 100Vまたは200V/50/60/Hz/700W(推奨 200V)
製造メーカー
Applied Ultrasonics(USA)
装置レンタル(国内総代理店)
日鉄テクノロジー(株)
【対象箇所】
本技術の補修対象は、鋼I桁橋の下横構ガセットプレートのまわし溶接部の止端部に留まっているき裂です。
【従来の補修方法】
磁粉探傷試験でき裂を確認しながら、グラインダーで切削除去を行います。「労力」と「高度な技術」が必要となる作業です。
【UITによる補修方法】
溶接止端部をき裂の上からUITで打撃します。従来の方法と比べ、比較的容易に施工を行うことが可能です。
【補修メカニズム】
き裂表面を圧着し、き裂先端部の応力集中が緩和されるとともに圧縮残留応力が導入されることにより、き裂の進展を防止します。
き裂補修だけでなく、予防保全対策としてき裂の発生していない箇所も同時に施工することで、従来の予防保全対策(例えば、当て板補強)に比べて、大幅な施工時間短縮とコスト削減が可能となります。