近年、機能性材料、医療、化学等の各種分野では、微粒子の商品への適用が進んでいます。溶液中の微粒子の凝集・分散・沈降制御・流動性の指標や表面特性の指標として、ゼータ電位がよく利用されます。ゼータ電位は粒子表面の帯電状態を評価できる唯一の指標です。
微粒子のゼータ電位や粒子径を測定することで、分散安定性や表面特性評価をすることが可能です。また、フィルムや板状試料への粒子吸着性評価の指標として、非導電性の平板表面のゼータ電位測定も可能です。
帯電した粒子が溶液中に分散している系に外部から電場をかけると、粒子は電極に向かって泳動します。電気泳動速度は粒子の電荷に比例するので、その泳動速度を測定することにより、ゼータ電位を求めることができます。
レーザードップラー法とは、電気泳動している粒子にレーザーを照射すると、粒子からの散乱光はドップラー効果によって光の周波数がシフトします。そのシフト量は帯電粒子の電気泳動速度に比例することから、このシフト量を測定し電気泳動速度を求める方法です。
水中に浮遊する粒子にレーザー光を照射すると、散乱光は粒子径に依存したブラウン運動により揺らぎます。その散乱光を検出し、その揺らぎを解析することにより粒子径を求められます。
散乱光は、小さい粒子は速い揺らぎ、大きい粒子はゆっくりとした揺らぎを示します。
ゼータ電位・粒子径測定装置(平板試料測定システム,pHタイトレーションシステム付)
測定範囲
ゼータ電位:-100~100mV
粒子径:3nm~5μm
ゼータ電位・粒子径測定装置外観