熱伝導率の一般的な測定法としてレーザフラッシュ法が挙げられます。しかし、レーザフラッシュ法は、不均一材料や低熱伝導率材料等の測定には適しません。そこで弊社では、このような試料に対しては下記に紹介する温度傾斜法を用いて熱伝導率を評価しています。接合材の界面熱抵抗の評価も可能です。
フーリエの法則(式1)を基本原理とし、図1に示す温度傾斜法にて定常熱流(q)と試料両端温度差(Δθ)を測定し、熱伝導率を評価します。
<フーリエの法則>
-q=λ(Δθ/Δx)(式1)
q:熱流量 (W)
Δθ:温度差 (K)
λ:熱伝導率 (W/(m・k))
Δx:試料厚さ(m)
図1 温度傾斜法による熱伝導率の測定原理図及び装置の構成概略
試料形状
φ50mm x t10~20mm(良熱伝導材ほど試料厚み要)
温度域
室温近傍~150℃
接合界面の圧着圧力
約10~50kPa [0.1~0.5kgf/cm2]
雰囲気
大気中のみ
測定試料
アルミナ(純度:99.5%)
試料形状
φ50mm x t20mm
試料両端の温度
約23~27℃
接合界面の圧着圧力
約10kPa
測定熱流量
約5kW/m2
図2 温度傾斜法測定例(アルミナ:純度99.5%)
表1 熱伝導率測定結果
測定試料 | 熱伝導率 [W/K/m] | |
温度傾斜法 | レーザフラッシュ法※ | |
アルミナ | 29 | 29 |
※同一素材からφ10mm×t1mmを加工し20℃にて測定を実施。