セラミックス、石英、金属材料の材料設計、製造工程の評価において、主に超高温度領域で発生する微量ガス成分の調査に本分析法が適用できます。
加熱放出ガス分析(昇温脱離ガス分析、TDS: Thermal Desorption Spectrometry、TPD: Thermal Programmed Desorptionともいう)では、サンプルから放出されるガスの加熱温度依存性を見ることで、固体試料表面の吸着ガスの脱離、試料内部に存在したガスの拡散、試料中化合物の分解・再結合によるガスの発生などを知る手がかりになります。
試験片を予備室から高真空中の炉芯管内に装入して、定速昇温により室温から最高1500℃まで加熱し、その間に発生するガス成分(質量数)を質量分析計(四重極質量分析計、QMS)で測定します。
定速昇温しながら随時測定できるので、何℃でどのようなガスが発生するのか知ることができます。
質量分析計で測定しますので(検出する質量数の範囲内であれば)予期しないガスもすべて同時に測定することができます。
主に無機ガスが対象となります。
装置
自社製の高真空中加熱放出ガス分析装置
(質量分析計:アネルバ社製 M-QA200TS型)
測定条件
・加熱温度:室温~1500℃
・質量数(M/Z):1~200
・昇温速度:300℃/hr
試料形状
約20×10×5t mm以内、粉末も可
るつぼ材の加熱放出ガス分析の結果