材料加熱時の放出ガス成分分析

概要

分析の目的

材料欠陥の発生原因の究明や、材料設計の評価、表面汚染、製造工程の評価、脱ガス条件の設定などに役立ちます。

水素脆性の原因となる拡散性水素の分析もできます。

測定内容

加熱放出ガス分析(昇温脱離ガス分析、TDS: Thermal Desorption Spectrometry、TPD: Thermal Programmed Desorptionともいう)では、サンプルから放出されるガスの加熱温度依存性を見ることで、固体試料表面の吸着ガスの脱離、試料内部に存在したガスの拡散、試料の分解によるガスの発生などの機構を知る手がかりになります。

高真空の雰囲気下で定速昇温加熱により試料から発生するガス成分(質量数)を質量分析計(四重極質量分析計、Q-mass)で測定します。

本測定の特徴

定速昇温しながら随時測定できるので、何℃でどのようなガスが発生するのか知ることができます。

また質量分析計で測定しますので、予期しないガスも検出質量数の範囲内ならすべて同時に測定することができます。

  • 四重極質量分析計

装置の仕様

  • 装置

    自社製の高真空中加熱放出ガス分析装置

    (質量分析計:アネルバ社製 M201QA-TDM型)

  • 測定条件

    ・加熱温度:室温~1000℃(max 1050℃)

    ・質量数(M/Z):1~200

    ・昇温速度:100℃/hr~600℃/hr

  • 試料形状

    約20×15×50mm以内、または24φ×50mm以内、粉末も可

測定例

SUS材からの放出ガスの結果

  • 測定例
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