熱天秤-質量分析装置 (TG-MS)

概要

原理

TG-MSは熱天秤(TG)と質量分析装置(MS)を結合した装置です。

下図の装置構成図に示したように、試料は熱天秤でキャリヤーガス中プログラムに沿って加熱されます。

試料は分解や反応によってガス成分を放出し、その重量変化を熱天秤で観測します。同時に放出されたガス成分は、キャリアーガスでインターフェース部に導入され、キャリアーガスと分離されて、イオン化室に入ります。イオン化室でイオンとなり四重極電極で質量分析されます。

熱天秤―質量分析装置
  • TG-MSの装置構成図

こうして温度毎に試料が分解や反応する状況を調べることが出来ます。

右図は熱天秤のグラフで温度上昇と共に重量が減少していくことが分かります。

熱天秤―質量分析図

適用分野

  • 各種材料の加熱発生ガス挙動観察

仕様

  • 加熱温度:RT~1000℃
  • 昇温速度:~20℃/min
  • 加熱雰囲気:He、Air、その他(H2は別途相談)
  • 試料重量:~200mg (試料により異なる)
  • 使用パン:Pt、アルミナ他

測定例

  • 塩素系ゴム分析の一例

    塩素系ゴムのTG/MS分析を実施した例を以下に紹介します。

    重量減少(図1)に伴って、図2に示すように、m/z 37 (HCl) やm/z 14 (CH2) のイオンが発生していることが判ります。TG/MS分析の結果、脱塩酸反応やポリマー主鎖分解反応とそれぞれの反応温度についての情報が得られました。

  • 図1 TGA曲線

    図1 TGA曲線

  • 図2 マスクロマトグラフ

    図2 マスクロマトグラフ

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