高速液体クロマトグラフ (HPLC)

概要

原理

液体クロマトグラフとは、各種充填剤を充填したカラムに試料を溶かした溶離液を流すと、試料に含まれる分子またはイオンと充填剤との親和力により流出する速度が変化します。

この速度の差を利用して、試料中の分子を分離し、流出に必要な時間から分子を特定する方法です。本装置が発明された当時は常圧であったため、分析に数時間以上という長時間が必要でしたが、溶離液を高圧で流すことにより分析時間が飛躍的に短縮され(高速:High Performance)広く分析装置として使われるようになりました。

装置の構成は右図に示すように、溶離液はまず溶離液に溶けた酸素や窒素等のガス成分が脱気され、ポンプで高圧にされ常に一定の量が流れるようになっています。この高圧の溶離液の中にインジェクターから試料が注入され、溶離液と共に恒温に保たれたカラムへと導入されます。カラムで分子毎に分離され、検出器で量が測定され、PCでデータが収集されます。

充填剤としてはシリカゲルやポリエチレンやポリプロピレンなどのポリマーゲルの非常に細かい粒子が使われています。

高速液体クロマトグラフ
  • HPLCの構成図

    装置概要(JEOLのHPより)

適用分野

  • 半揮発性・難揮発性有機成分の組成分析
  • ホルムアルデヒド等のアルデヒド類やケトン類の定量分析
  • 分子量分布測定

仕様

  • 日本 Waters 製

    ・セパレーションモジュール部

    サンプルバイアル数:120本

    サンプル温度調整:4℃~40℃

    ・カラムヒータ制御温度:室温-10℃~60℃

    ・検出器

    <示差屈折計>

    RIレンジ:1.00~1,75RIU

    測定レンジ:7.0×10‐9~5.0×10‐4RIU

    フローセル:溶融石英

    <フォトダイオードアレイ検出器>

    波長範囲:190~800nm

測定例

  • アルデヒド類の測定例

    アルデヒド類の測定例

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