フェイズドアレイ超音波探傷

概要

フェイズドアレイ法の原理

探触子を構成する振動子を1mm程度の幅に細分化し、連続的に並べて(例えば64個の素子)、個々の素子(振動子)に加えるパルスのタイミングを電子的に制御します。これにより超音波ビームを任意の方向に偏向させたり、集束させたり、連続的に移動させたりできます。またパソコンに全探傷データを保存し、データから欠陥画像(B,Cスコープ)を表示できます。

特徴

(要求仕様、対象材サイズにより異なります)

  • 超音波ビームの方向制御(セクタースキャン)

    複数の素子で1個の探触子とみなし、各素子のパルスを制御することにより、超音波ビームを斜めに傾けたり、扇状に振ることができます。

    垂直探傷セクタースキャン

    垂直探傷セクタースキャン

    斜角探傷セクタースキャン

    斜角探傷セクタースキャン

  • 超音波ビームの移動(リニアスキャン)

    多数の素子を並べた探触子とし、1回に複数の振動子(例えば10個)を駆動しながら、ビームを順次移動させます。

    垂直探傷リニアスキャン

    垂直探傷リニアスキャン

    斜角探傷リニアスキャン

    斜角探傷リニアスキャン

  • 超音波ビームの集束(DDF)

    超音波ビームを任意の深さに集束でき、収束深さを任意に変更できます。厚手材、高減衰材での高感度の探傷が可能となります。

  • 高速探傷

    瞬時に広い範囲を全面探傷できます。多数の素子からなる幅の大きい探触子を使用し、リニアスキャン・セクタースキャンすることにより、溶接部探傷でのジグザグ走査が不要になります。

垂直探傷リニアスキャン

垂直探傷リニアスキャン

垂直探傷セクタースキャン

垂直探傷セクタースキャン

斜角探傷リニアスキャン

斜角探傷リニアスキャン

斜角探傷セクタースキャン

斜角探傷セクタースキャン

探傷例

  • C-スコープ

     

    C-スコープ
  • B-スコープ

    リニアスキャンとセクタースキャンの組み合わせ

    B-スコープ

溶接部欠陥(ルート溶け込み不良)探傷例

  • 大型設備のき裂寸法探傷例
  • 大型設備のき裂寸法探傷例2

大型設備のき裂寸法探傷例

適用対象例

  • 大型設備

    内部欠陥の寸法・形状調査、車軸、ボルトのき裂調査、橋梁隅角部の欠陥検査

  • 配管溶接部の高速探傷

    (100mm/分→2000mm/分)

  • 鋳造品、鋳片や機械部品の精密調査

    (内部欠陥、介在物)

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