放射線透過試験

概要

鋼材、コンクリート、木材、半導体部品等の内部に存在するきずや異物を検査する場合は、放射線透過試験(RT)を行います。

原理

  • 放射線透過試験の原理を図1に示します。

    放射線を試験体に透過させると、きずのある部分と健全部とでは放射線の透過度が異なりますので、透過した放射線をフィルムに感光させると欠陥像が得られます。

  • 一般的な撮影配置を図2に示します。

    試験材に透過度計と階調計をのせ同時に撮影し、透過度計識別度(%)、写真濃度、階調計の濃度差により、適切な撮影条件であることを確認します。

  • 撮影したフィルムを観察して、きずの種類を判別し、大きさ・密集度から等級分類を行います。
  • 放射線透過試験の原理

    図1 放射線透過試験の原理

  • X線撮影配置

    図2 X線撮影配置

探傷方法の種類

  1. 使用放射線
    X線(波長0.01~0.1nm程度)
    γ線、中性子線
  2. 試験体
    ○材質(例):金属、プラスチック、コンクリート、セラミック、木材 、半導体部品等
    ○検出できるきず(例):材料内部の気泡・割れ・異物

適用例

  • 溶接部のきず検出
  • 機械部品の内部構造、寸法測定
  • 配管の異物有無・充填状況
  • 鉄筋コンクリート内の鉄筋配置
  • 半導体部品の欠陥、はんだ接合不良調査
  • 木造家屋の内部構造

特殊な放射線透過試験

  1. マイクロフォーカスX線
    線源の焦点を0.1㎜以下に絞っており、微小な欠陥を検出できます。
  2. X線CT
    線源を移動させることにより2次元画像(断面図)が得られます。
  3. IP
    イメージングプレートで透過X線を受けます。
    プレート表面にレーザー光で照射するとデジタル画像が得られます。
  4. 配管詰り検査
    弱いγ線源を移動させ透過線量の差をデータ処理します。
    配管内の堆積物閉塞率が得られます。
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