超音波とは人間の耳に聞こえない高い音(周波数20KHz以上)を言います。
超音波探傷試験(UT)では1MHz以上の高い周波数の音波を使用して、材料内部のきずを検出します。材料の厚さ測定にも使用されます。
超音波は波長が短い(鋼中5MHzの縦波で約1.2mm)ために直進性が高く、かなり遠方までビームが伝播します。
超音波の波動の種類としては、粒子が超音波の進行方向に対して平行方向に振動する縦波と、粒子が超音波の進行方向に対して垂直方向に振動する横波とがあります。
超音波探傷試験ではこの縦波または横波が使用されています。
この他に表面を伝播する表面波があります。
試験体の表面(探傷面)に探触子をあて、内部に超音波を伝播させます。
そして、きずから反射されて戻ってきた超音波(エコー)を受信します。
きずの位置は送信された超音波が受信されるまでの時間から、きずの大きさはエコー高さから推定します。