超音波探傷試験

概要

超音波とは人間の耳に聞こえない高い音(周波数20KHz以上)を言います。

超音波探傷試験(UT)では1MHz以上の高い周波数の音波を使用して、材料内部のきずを検出します。材料の厚さ測定にも使用されます。

超音波は波長が短い(鋼中5MHzの縦波で約1.2mm)ために直進性が高く、かなり遠方までビームが伝播します。

超音波の種類

超音波の波動の種類としては、粒子が超音波の進行方向に対して平行方向に振動する縦波と、粒子が超音波の進行方向に対して垂直方向に振動する横波とがあります。

超音波探傷試験ではこの縦波または横波が使用されています。

この他に表面を伝播する表面波があります。

超音波の種類

原理

試験体の表面(探傷面)に探触子をあて、内部に超音波を伝播させます。

そして、きずから反射されて戻ってきた超音波(エコー)を受信します。

きずの位置は送信された超音波が受信されるまでの時間から、きずの大きさはエコー高さから推定します。

  1. 垂直探傷
    超音波(縦波)を表面に垂直に入射させる方法です。圧延材や鍛造材など、試験体の表面が平滑な場合に適用します。超音波ビームがきずにあたった時、きずのエコーが得られます。

    垂直探傷
  2. 斜角探傷
    探傷面に対して斜めに超音波(横波)を入射させる方法です。主に管材や溶接部のように垂直探傷が適用できない時に使用します。超音波ビームがきずにあたった時、きずのエコーが得られます。

    斜角探傷

検査対象

  • 鋼、ステンレス、チタン、アルミ、鋳物、 コンクリート、プラスチック、CFRP、半導体等

特殊な超音波試験

  • TOFD(Time Of Flight)法、ガイド波、アレーUT、電磁超音波
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