厚板の接合(造船、建築、インフラ、エネルギー)

厚板(厚鋼板)の接合はその効率性から主に溶接によって行われます。厚板は建築、造船分野等の重要構造物における強度部材として用いられるため、溶接部についても,高い安全性が求められます。そのため、溶接部(溶接継手)について、継手として健全であるか(溶接欠陥、応力集中部、変形)、必要な溶接継手強度を有しているか、使用環境で十分な耐久性を有しているか(脆性破壊、疲労、応力腐食割れ)、等を評価する必要があります。

最近は構造物の大型化、高機能化にともなって使用される厚板も高強度化、厚手化の傾向にあり、その結果、溶接方法も高能率の大入熱溶接(例;多電極1ランサブマージアーク溶接、エレクトロガスアーク溶接、エレクトロスラグ溶接)はじめ、多様化しており、溶接部の健全性、品質、特性に対する正確かつ高度な評価技術がますます重要になってきています。

日鉄テクノロジーでは、様々な使用環境を想定した継手の設計や特性評価、品質・信頼性を得るための手段として、各種試験に加え非破壊検査のメニューも用意しております。

厚板の主な産業分野

  • 造船
  • 建築、橋梁
  • 圧力容器、貯槽、タンク
  • パイプライン、ペンストック
  • 海洋構造物
  • 建設機械、産業機械
橋

厚板の主な接合方法

厚板溶接継手に必要な管理ポイント例

  • 厚板溶接継手に必要な管理ポイント例
特性・品質 影響因子,管理ポイント 評価方法
評価方法 溶接金属強度
HAZ軟化
強度マッチング(WM,HAZ,BM)
強度評価試験
大型構造物破壊試験
断面組織観察
継手靱性 WM靱性 WM組成(溶材組成,母材希釈)
溶接入熱、積層
衝撃試験
破壊じん性試験
化学分析
物理分析
HAZ靱性 母材組成
溶接入熱
多層盛/1ラン溶接
局所脆化域
溶接割れ 低温割れ(HAZ) HAZ硬さ(鋼材組成)
残留応力
拡散性水素
予熱・後熱
硬さ試験
残留応力測定
拡散性水素測定
化学分析
物理分析
高温割れ(WM) 溶接材料(WM組成,不純物)
拘束度
WM形状
疲労特性 応力集中
負荷応力・残留応力
疲労試験
残留応力測定
応力腐食割れ HAZ硬さ
使用環境
応力集中
負荷応力・残留応力
強度評価試験
腐食環境調査
残留応力測定

WM:溶接金属、HAZ:鋼材溶接熱影響部、BM:母材

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