高強度鋼板(ハイテン材)を重ね合わせ、水冷された銅電極で加圧して通電し、ジュール発熱で溶接部を形成させます。その際、加圧力や通電パターン、電流値、通電時間等を変化させ、ナゲットの形成状況やサイズ、継手強度等を評価します。
スポット溶接の概念図
断面組織観察では、ナゲットや熱影響部の金属組織や、ブローホールや収縮欠陥の発生状況等を評価します。また、ピール試験では、下図のように溶接部を引きはがし、破断状態や箇所を評価します。
断面マクロ組織写真(*1)
ピール試験
任意の溶接電流と形成されるナゲット径の例を示します。また、規定ナゲット径からスパッタが発生するまでの電流範囲である、適正溶接電流範囲を確認します。
せん断方向、剥離方向の引張試験を実施し、継手の接合強度を確認します。一般的に、引張せん断試験、十字引張試験、L字引張試験の順で強度が低下します。
継手強度は、ナゲット径に比例して増加します。
溶接後の焼き入れで、ナゲット部の硬さが増大します。
継手の疲労強度は、母材強度には依存しません。
連続打点により、電極と亜鉛めっきが反応し、ナゲット径が低下する。GA鋼板の連続打点性は3000点以上。
*1~*5:新日鉄技報 第385号「自動車用高強度鋼板のスポット溶接性」より
*6:月刊「溶接技術」2008年1月号「高強度鋼の溶接-自動車用高強度鋼板の溶接技術-」より