絶縁油の劣化診断・PCB分析

変圧器を安全に使用するために、絶縁油の診断分析が必要です。当社では絶縁油劣化の指標となる種々の分析に対応いたします。

また平成13年のPCB特措法施行前の電気設備の絶縁油として使用されていたPCBは製造中止となっており、PCB廃棄物の所有事業者には保管状況等の届出が必要な他、期間内に適正に処分することが義務付けられています。当社では、絶縁油中のPCB分析を承っています。

絶縁油の劣化診断

絶縁油の分析目的は次のようなものがあります。

  • 絶縁油の劣化度の判定
  • 絶縁油交換の指標
  • (スパーク)など異常の早期発見

当社では、油中ガス分析のほか、様々な分析に対応いたします。

油中ガス分析

  • 絶縁油中に含まれるメタン、エタン、エチレン、アセチレン、一酸化炭素、二酸化炭素、水素を、専用のガスクロマトグラフ装置で分析いたします。
  • 絶縁油中のガス(炭化水素ガス)は油の熱分解等によって生成するため、変圧器の高温、絶縁破壊などの異常の指標となります。(それぞれのガスの発生原因は次表のとおりです。)
     ガス発生原因  H2 CH4 C2H6 C2H4 C2H2 CO CO2
    過熱  絶縁油  ○  ◎  ◎  ◎  ◎    
     絶縁紙            ◎
    放電  絶縁油  ◎      ○  ◎    
     絶縁紙            ◎
    経年劣化  絶縁油    △  ◎      ◎  ○
     絶縁紙            ○  ◎

    ◎:重要度大、○中、△小

その他の分析

  • 絶縁破壊電圧
    絶縁油の電極に高圧をかけ、絶縁破壊が起こる電圧を測定します。絶縁性の直接的なレベルを知ることができます。
  • 体積抵抗率
    絶縁油に一定の電圧をかけ、抵抗値を測定します。絶縁破壊電圧と同様に、絶縁油の絶縁性を評価します。
  • 全酸価
    絶縁油の酸化によって生じた酸性物質の量を、アルカリ滴定により測定します。絶縁油の劣化度の指標となります。
  • 水分
    絶縁油中の水分を測定します。水分は絶縁油の絶縁性の指標を低下させます。
  • フルフラール
    変圧器中の絶縁紙の劣化によって生じ、油中に溶け出したフルフラールを定量します。フルフラールの濃度は絶縁紙の重合度(低いほど絶縁紙の強度が低下している)の間接的な指標になります。

PCB分析

PCBは、安定性に優れ、電気絶縁性が高いことから、変圧器・コンデンサ、OFケーブルの絶縁油に使用されていました。しかし、カネミ油症事件を機に人体への毒性が問題となりました。そのため、昭和47年以降、製造は中止になり、当時PCBが使用され、厳重保管されていた廃重電機器等は、現在、JESCO 中間貯蔵・環境安全事業(株)の処理施設内にて処理がなされています。

PCB特措法とは、平成13年6月22日に公布された「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」のことで、同年7月15日から施行されました。法律ではPCB廃棄物を所有する事業者には、保管状況等を届出しなければならないほか、期間内に適正に処分することが義務付けられています。

  • 短納期のご依頼にお応えします。

  • サンプリングキット

    サンプリングキット無償提供します。

    分析ご依頼時、サンプリングするキットをお持ちでないお客さまには、 弊社より無償にてサンプリングキットをお送りしております。(送料はご負担願います)

弊社のPCB分析

分析対象サンプル

絶縁油 トランス油、コンデンサ油、ケーブル油、シリコン油
土壌 土壌、底質土
シーリング材 ポリサルファイド系シーリング材
河川水
その他PCB付着物 布、木材、その他

弊社対応可能分析法

  • 平成4年7月 厚生省告示192号別表第3-第1
  • 昭和63年9月 環水管第127号
  • 昭和46年12月 環境庁告示第59号付表第4
  • 高濃度硫酸処理/シリカゲルカラム分画/キャピラリーガスクロマトグラフ/電子捕獲型検出器(GC-ECD)法(平成22年1月 環境省廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課:「PCB簡易測定法マニュアル」対応)

PCB廃棄物の基準

PCB特別措置法施行令第1条の環境省令で定める、PCBを含む油が廃棄物となったものの基準は、下記のとおりとなります。

PCB廃棄物の基準
1 廃油、当該廃油に含まれるポリ塩化ビフェニルの量が、試料1kgにつき0.5mg以下であること。
2 廃酸または廃アルカリ、当該廃酸または廃アルカリに含まれるポリ塩化ビフェニルの量が、試料1Lにつき0.03mg以下であること。
3 廃プラスチック類または金属くず、当該プラスチック類または金属くずにポリ塩化ビフェニルが付着されていない、または封入されていないこと。
4 陶磁器くず、当該陶磁器くずにポリ塩化ビフェニルが付着されていないこと。
5 上記1~4以外の廃棄物、当該処理したものに含まれるポリ塩化ビフェニルの量が、検液1Lにつき0.003mg以下であること。

届け出等、詳細は環境省HPよりご参照ください。

  • GC/MS分析装置

    GC/MS分析装置

  • PCB廃棄物の基準
  • GC-ECD分析装置

    GC-ECD分析装置

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