【2024年職場見学会】
実施日:2024年3月27日
参加校:愛知総合工科高校、知多翔洋高等学校、名古屋工科高等学校、名古屋市立工業高等学校、半田工科高等学校
参加者数:29名(先生:4名、生徒:25名)
パンフレット ↓
会社概要説明
まず最初に試験分析総合会社の当社の会社概要を説明しました。
説明内容:
当社の会社概要、事業拠点、事業分野・顧客について
名古屋事業所の紹介として、名古屋事業所の概要、鉄鋼製造プロセスにおける試験・分析業務として、機器分析、化学分析・環境測定、製品出荷試験(機械試験)、研究試験について
入社後の新入社員教育、自主管理活動、福利厚生(独身寮、ライフステージ毎の福利厚生)、各種行事について
製鉄所見学(高炉マンテル)
製鉄所見学(連続鋳造工程(写真左)・熱延工程(写真右))
名古屋製鉄所内の連続鋳造工程、熱延工程を見学していただきました。連続鋳造とは、溶鋼と呼ばれる溶けた鉄を連続鋳造機最上部の鋳型に注ぎ込み、側面が凝固したものを鋳型の底から引き出していき、固まった鉄(鋼)の鋼片を製造する工程です。 熱延とは、連続鋳造工程でできた約250mm厚の鋼片を1000℃以上に加熱し、ロールで上下に挟んで押し伸ばし、最終的に1.2~19mm厚まで薄くしコイル状の鉄板を製造する工程です。
昼食会
当所のある東海市の名物「聚楽園の大仏様」のある、しあわせ村のレストラン「しあわせ村じゅらく」にて、昼食をしていただきました。
皆さん大人気の「じゅらく御膳(アフタードリンク付き)」をおいしそうに食べていました。
講義(鉄を学ぼう)
講義では鉄について学んでいただきました。
講義内容:鉄の生い立ち、宇宙における元素の存在比、地球の元素存在割合、鉄が特異的に多い理由、地球上の最大総質量の素材、鉄を使った製品、鉄の特徴、鋼の強度レベル、鋼材料強度の潜在能力と現在の実用化レベル、高強度鋼板(ハイテン)、鉄の特長=温度による変態、等
その後、強度の違う2種類の鉄を曲げてもらうことで、厚みや見た目は同じでも製品による硬さの違いを体感していただきました。
引張試験見学
引張試験とは、鋼材を破断するまで引っ張り、強度などを測定する試験で、鋼板の強度や加工性を評価し、品質管理や研究開発に役立てています。
実際に2種類の強度の異なるサンプルで試験を実施し、破断時の音や荷重の変化を体感していただきました。また、それぞれ強度に差がある鋼材が、自動車ではどこの部材に使われているか、なぜそこに使われているか等を解りやすく説明しました。
めっき分析見学
めっきとは、金属や樹脂などの表面に、亜鉛、アルミ、銅などの金属の密着性のある薄い皮膜を施す技術で、見た目を良くすることや錆びにくくすることを目的に実施します。ここではめっきの種類や亜鉛めっきの防食の仕組みを説明しました。また、めっき量の分析方法として、金属である亜鉛めっきを溶かして液体にし、それをICPという分析装置で数値化するところの実作業を見ていただきながら説明しました。
SEM観察見学
SEMとは、Scanning Electron Microscopeの略で、電子線を利用してサンプル表面の拡大像を観察することができます。EDS(エネルギー分散型X線分析装置)と組み合わせて特性X線を検出することで、元素分析もできます。実際にSEMを使って髪の毛や500円玉の拡大像(10万倍(数百nmの物が見える))を観察してもらい、どれほどすごい装置かということを体感していただきました。
組織観察見学
鉄の組織とは、人間に例えると性格のようなもので、組織を観察するということは鉄の性格を探ることと思ってもらえるとイメージしやすいと思います。外見は似ていても、組織を見ることで、この材料が硬いのか柔らかいのか等を判別することができます。組織を観察するためには、まず表面を鏡のようにきれいに磨く必要があり、その後、腐食(エッチング)という作業が必要で、専用の薬品をサンプルの表面に数秒浸すことで、表面から細かい模様、組織が見えるようになります。これを顕微鏡で見ると、はじめて組織を観察することができます。一連の作業の説明と、実際に顕微鏡で組織を見ていただきました。
先輩社員との懇談会
参加してくれた学校のOBとの懇談会では、生徒たちは社会人になったら意識することや、今からどんなことを学んだらよいか等、積極的に質問してくれました。先輩社員もそれに真剣に答えてくれたり、当時と今の学校の違いに驚いたりと、大いに盛り上がりました。先生も立派になった教え子を見れたと大満足していただけました。